イメージについて ~夢の中で見たものを絵に描くことはできるのか?~

イメージについて ~夢の中で見たものを絵に描くことはできるのか?~

夢の中で見た何やらすごくて新しそうな物を、目覚めてから再現しようと試みると全くうまくいかない。 それどころか何を夢で見たのかも怪しくなってくる。
イメージというのはそういったものだ。 イメージを持つとか、イメージを掴むというが、何ら具体性に近いモノを掴んではいないのです。
【イメージ】という言葉自体が抽象的なものを指す言葉なのだから当然だ。
だから、その夢で登場した何やらすごくて新しいものとは、なにか物質的なモノを夢のなかで目撃したのではなくて 本来抽象的な
【何やらすごくて新しいもの】 というこの文言がそこにあるだけな のです。

IMAG2504  【何やらすごくて新しいもの】の内部構造をも見たつもりになっているだけで 、夢の中でアリアリとした形のある【イメージ】を掴まされただけなのだ。これは夢の中でのみ起こるイメージ詐欺なのだろう。 【何やらすごくて新しいもの】を夢の中で発見したのではなくて、 発見をする夢を見させられているだけなのではないか。 夢を生み出す脳というのはどこまでも強引ですし、それを受け取る人間というのは実に単純なのだろう。
時には具体性よりもイメージを掴むだけの方が重要な局面はある。 特にスポーツのように体を動かす時に、先ず必要なのはイメージだ。逆にデザインや絵画等の物質的にアウトプットする必要がある時には具体性を 要求される。 抽象画を描くにしろ、必要とするのは具体性なのだ。
だからといって【全ての抽象画は具象画だ!】 とは 思わない。言葉のレトリックに引っかけられているだけ。
具体性をもって抽象画を描いているだけであって、そこには絵を描くという行為に必要な具体性があるだ けなのですから。 抽象画として描かれて完成した絵は抽象画なのだ。

 

夢というものの最も扱いの上手い例: I have a dream マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、夢を夢見させた